約 2,287,852 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/520.html
涼宮ハルヒの改竄 version H 涼宮ハルヒの改竄 version K
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/764.html
「いい天気!!!」今日はどうやってキョンに話しかけようかな そこまではいつもの朝だった 「キョン遅いわよ!!」 「はあ!?お前みたいなキチガイに遅いとか言われたくないな、てか話しかけるな」 何言ってるの?聞き間違いよね?ねえ! 「どうしたの?キョンなんか変よ?」 「変なのはお前だろ自己紹介のときに宇宙人とかぬかしてやがったろ、ていうかもう話しかけないでくれ馬鹿がうつる」 「ちょっと!本当にどうしたのよキョン!!キョン!!!」バチーン 「え?」左頬が痛い 「話しかけるなっていってるだろ!!お前なんかさっさといなくなっちまえ!!」 何も言えなくなった どうして?何か悪いことした? 昼休み 「古泉くんならきっとなにか知ってるかも、たしか9組よね」 あ、いた…でもキョンが隣にいる、しかたがない 「古泉くn「でさ、さっきさ後ろの奴が話かけてきやがってよ」 「どんな人でしたっけ?」 「前に宇宙人とか言ってた奴さ」 「ああ、なるほどそれは災難でしたね」 「しつこかったからおもっきりひっぱたいて怒鳴ってやった」 「あなたらしくないですね、まあしかたないと思いますが」「だろ、はいチェックメイト」 これ以上ここにいたくない み、みくるちゃんなら…きっと… 二年生の教室に向かった 「みくるちゃん!!ちょっと聞いてよ!!」 「え?えっえ??あの~どなたですかぁ~?」 「…あたしがわからないの?」 「ごめんなさぁい」 そのときあたしはみくるちゃんの腕を思いっきり引っ張っていた「いたいですぅ~」 「キョンに会えば思い出すわよ!!」お願い一緒にきて そのとき腕を誰かに掴まれた 「ちょいっと待ちなっ!」 「うちのみくるが怯えてるよっ」 「もしかして女の子好きな子かいっ?でも物事には手順てやつがあるんたよっ」「…違う、違うの!!!」 あたしはそこから走り出していた いつの間にか放課後になっていた 「どうして?もう誰もあたしの味方はいないの…」 「WAWAWA~忘れ物~」 「…谷口!!」コイツだけでも 「ちょ、話しかけるなよ!涼宮菌がうつる!!」 「…もう駄目だ」 足早に家に帰った 「…キョン…キョン…どうしたらいいのかわからないよ?」涙がとまらなかった もう明日学校行きたくない………あ!!有希のこと忘れてた!! …でも有希みんなと一緒なのかな… バチーン 自分の顔を叩いた よし、明日有希に会いに行こう 少し気分が晴れたきがした 次の日は雨になった 「今のあたしの心みたい…弱気になったら駄目!!」 「まずは有希に会いに行かなきゃ!」 今日は誰とも話さなかった ひそひそと陰口を言われているのはわかったけど無視した、するしかなかった 放課後部室に向かった 初めて扉をノックした「キョンみたい」 反応がない 「しかたないわね有希だし」 扉を開けた 「有希あたしのことわかる?」 「…」コク 「本当!?」救われた気がした 「ねえ、いったいどうなってるの?キョン、みんなの記憶がなくなってるの」 「…私がした」え?何て言ってるの? 「…この世界は私が望んだ世界」 「どうして!!」有希につかみかかっていた 「…あなたがいると彼が私を見てくれない、だから世界を改変した」 「なっ!!有希!!!」手を振り下ろした 有希に届く前に弾かれた 「どうなってるの?」 「…やはりあなたは邪魔、ここであなたの存在を消しみんなの記憶から消去する」 「え?消す?あたし殺されるの??」 そう言った瞬間光の刃があたしに向かって飛んできていた 「ごめん、キョンあたしもう駄目だ…好き…だったよ」 キィーン 「え?」あたしの前で光の刃が弾きとんだ 「…!!」有希が驚いた顔をしている 「あたし何もしてないわよ」助かったの!? 振り返るとPCが光輝いていた カタカタカタ 何か書き込んである kyon 大丈夫かハルヒ? キョン!?キョンなの!? kyon ああそうだ、いきなりお前が消えちまったから長門に頼んで探してもらってたんだ 有希!?有希ならあたしを殺そうとしてるわよ YUKI.N それは私であって私でない どうなってるのよ!!あたしはどうしらいいの? YUKI.N 強く望んで本当の世界を、あなたならできるはず 望んだからってどうなるのよ! YUKI.N 時間がない私がバリアを張れるのもあと数分、それまでに わからない!!わからないわよ… kyon ハルヒ キョン kyon 頼むお前しか無理なんだ…あのなんだ早く帰ってきてくれお前がいないと…寂しいんだ …キョン kyon こんなときに言うのもなんだが俺はお前のことが世界で一番好きだ、早く戻ってきてくれ! そう書いた後に文字が消えていった 「キョンあたしやってみるよ」 「…もう終わり」 「有希!!!あたしはもとの世界に戻りたい、本音はあなたの存在を消した世界に戻りたい」 「…」 「でも、あなたはSOS団の一人、いなくなることなんて許さないわよ」 あたしは目を瞑った お願い、お願いもとの世界に…優しいキョンのいる世界に… 「…ぉが?」あたしはベッドの上で寝転がっていた 夢?だったの? 時計は4 28分を示していたその後は寝られなかった 「キョン、戻ってるわよね」朝から憂鬱になりながらいつもの坂を登った 「キョン、遅いわよ…」声がでなかった 「悪かったなこれでも早くきたほうだ」 いつものキョンだった 「キョン!キョン!!」思わず抱きついてしまった 「なっ!?おいみんなが見てるだろ」 「朝から見せてくれるね~キョンは、ね谷口」 「教室でいちゃいちゃするなってえの」 「キョンあたし怖い夢を見たの、でも…もう大丈夫よ」 「そうかい、ほら涙拭けよ」 「もう少しでいいからこうさせて」 「やれやれ」 「…好き」「ん?なんか言ったか?」 「なんでもないわよバカキョン!!」 ありがとうキョン 終わり
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/575.html
第2章 雨で中止になった第2回SOS団花見大会だが、ハルヒはそれほど不機嫌ではなかった それは今、俺の部屋で格闘ゲーム大会を催し、長門と決勝戦を繰り広げる様子や古泉の話からも明らかだ 「そこぉ!」 ハルヒの超必が決まり、決勝戦の幕が閉じる ハルヒが勝ったという結果を残して 長門はゲームをするのは初めてと言っていたが、慣れるにしたがってどんどんうまくなった それでもハルヒにはかなわない どうでもいいが古泉は最下位だった ボードゲームも弱いがコンピューターゲームも弱いらしい 「簡単すぎるわね、もっと難しいゲームはないの?」 ひとしきり優勝にはしゃいだあと勝ち誇ったようにハルヒが言った 「ソフトならそこの棚に入ってる。好きに選べ」 ハルヒがソフト探しに夢中になっている隙をみて俺は長門に耳打ちした 「この雨はいつやむかわかるか?」 すると長門も小声でこたえてくれた 「不明、ただしこの雨により桜の花が落ちる可能性は92.7%」 俺は頭をかいた やばいな、このままだと第2回SOS団花見大会が中止になっちまう 別にこうやって騒いでるのも楽しいのだが、ハルヒが閉鎖空間を生み出さないとも限らない ただやたらご機嫌なハルヒをみているとそれも無駄な心配に思えてくるから不思議だ まぁ、その後も特筆すべきことがらもなく、急遽開催された第1回SOS団ゲーム大会もハルヒの万能っぷりを見せ付けただけで幕を閉じた 帰りぎわハルヒは 「明日は晴れたら公園で花見、雨だったら部室に集合ね」 と言ってANGIE DAVIESのSUPERMANを歌いながら帰っていった ―そして翌日 と、いきたいところだったのだが、正直そうもいかないらしい 妹が風呂を知らせに来た午後7時半、ハルヒから電話がかかってきた 「キョン、何も言わずに今すぐ例の公園に来なさい、いいわね!」 相変わらず一方的に話すだけ話して切る奴だ 仕方なく俺は家を出た 昼に降っていた雨も止んで、空を見れば朧気ながら月が顔を出していた しかし、その公園でたとえノストラダムスでも予言できないようなことが起きようとしていたなんて、いったい誰が予想できただろうか 公園に着いた俺をハルヒの背中が迎えてくれた 桜の花は昼の豪雨によってほぼ散っていたが、残った微かな花により、儚げな美しさを醸し出していた 俺はハルヒの背中に話し掛ける 「よお、待ったか?」 「わかんない」 ハルヒは後ろをむいたまま首を横に振った 「すごく待った気もするし、すぐだった気もする」 わけのわからないことを言い出した 「ねぇ、あんた選択授業なんにした?」 これは本当にいつものハルヒなんだろうか その声はまるでつついたら壊れる脆いガラス細工のようだった 「多分、お前と同じだ。私立文系受験の…」 「違うの!!」 ―悲愴 そんな感情を込めた叫びに思わず俺の気持ちが後退りをする 不意に月が雲に隠れ、まわりの家の灯り、公園の街頭、すべての明るさが陰りを見せたような錯覚に陥った そう、それはまるで閉鎖空間に迷い込んだような… 「あたしは…理系を選んだ」 ぽつりと出た、蝶の羽音のような声は一瞬、俺の思考を停止させた 俺は考えていた 2年になっても俺はハルヒの席の前でシャーペンでつつかれたり、その笑顔を見ながら過ごすことになるだろう、と ただ、逆に北高は2年のクラス替えを理系、文系に分けてやる だから頭のいいハルヒが理系にいってもそれはそれで別にそれでもかまわないと思っていたが ―今だから正直に言おう 俺はそうじゃなければいやだ そこにあって当然のものだから油断していた ハルヒの席の前に俺以外の人間がいるなんて俺の中ではありえない 空気はそこにあって当然のものだが、空気がなくなると人間は窒息死してしまう そんな例えがわかりやすいだろうか とにかく、その発言を聞いた俺の目の前は真っ暗になったのだ そうだな、この瞬間に閉鎖空間にハルヒと閉じ込められたなら、俺はこっちの世界に戻ろうなんて考えなかっただろうぐらいに しばらくそんなことが頭の中を縦横無尽に駆け巡っているとその沈黙をどう受け取ったか、ハルヒが口を開く 「あんたが文系を選ぶことは知ってた。その時は別に部室で会えるし、全然構わないと思ってた、だけど…今の気持ちはそうじゃない!」 ハルヒがゆっくり振り返る、その目は、顔は、涙に濡れていた 「キョン、あたしはあんたと一緒にいたい!離れたくない!精神病でも何でもいい!あんたが好きなの!」 張り上げた涙声は魂の叫びとなって静寂を保つ夜の闇に響く 普遍的な行為を嫌うハルヒが、こんなに一般的な告白をしなければならないほどこいつは思い詰めていたのか そこで俺は考えた 俺にとっての ―涼宮ハルヒ の存在を クラスメイト?団長? 一緒にいる理由は? 仕方なく?おもしろそうだから?朝比奈さんを守るため? すべてのハテナマークをふりきり、一つの答えにたどり着いた ―俺は涼宮ハルヒに惹かれている この状況に合う言葉を口に出すなら 「俺も…ハルヒが好きだ」 考えよりも先に言葉が出ていた それに気付いてからも俺に後悔はない これは心のままの気持ちだから 「…ありがとう」 ハルヒに言われた初めてのありがとうは俺の心を暖かくし、泣きじゃくるハルヒを抱き締めるのに十分な理由をくれた ―ただ俺は知らなかったんだ この出来事が明日以降の、サプライズ具合では今ほどではないが、しかし非常に厄介な出来事の引き金だったことを 第3章
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4020.html
==陸中城下町== 谷口「WAWAWA忘れ物~」 町の女の子「あ、谷口様!」 谷口「やあ元気にしてたかいマドモアゼル」 町の女の子「元気ですっ!今日はどんな面白い商品を持ってきてくださったの?」 谷口「フ…そうだな、例えばこれなんてどうかな?」 町の女の子「これなに?」 谷口「ぶどう酒と呼ばれる向こうの酒だよ。口には合うと思うぜハニー」 町の女の子「ごくっごくっ・・・・・おいし~♪ありがとう谷口様!でもこんなもの何処で手に入るの?」 谷口「フ…向こうの商人と一発やるのさ。30代後半の女商人が狙い目でな、 声をかければ意外にホイホイ付いてくる」 町の女の子「きゃー!流石谷口様!!」 谷口「今晩・・・いいかな?」 町の女の子「それは御断りしますわ♪」 タッタッタッタッ 谷口「・・・・・」 ひゅうー…ぽつん キョン「いってえ…ここは?」 古泉「まだ洞窟の中のようです。どうやら別の位置に無事移動成功したようですね」 いきなり喋るな。顔が近いんだよ気色悪い 横を振り向くと、他の女三人衆もどうやら目が覚めたようで辺りを見回していた ハルヒ「ここ・・・何か部屋みたいね」 みくる「何か少し・・・変な感じですぅ」 長門「今までの洞窟内とは全く雰囲気が違う…何かが…来る!」 ==ぞわっ== 突如として背後に凄まじい殺気を感じた俺達は五人一斉に後ろを振り返った ???『船切り』 俺達の目の前に現れる巨大な剣 いや、これはおかしいだろう。術を唱えている暇すら・・・ 長門「炎術・火翔」 間一髪のところで長門の放った術が巨大な剣を止める。 しかしその風圧が俺達五人を大きく吹き飛ばす キョン「みんな大丈夫か!?」 ハルヒ「なんとか・・・っ」 古泉「長門さんのお陰です。正直、危ないところでした」 みくる「な、なんですかあ今の!?」 ???『盗賊共…貴様等に死を』 俺達の目の前に現れたのは巨大な剣を背負った巨大な男だった キョン「…!!」 ハルヒ「なによコイツ…」 海尊『我が名は常陸坊…常陸坊海尊…』 海尊『我が名は常陸坊海尊。何年も前よりこの洞窟に眠る我が主の財宝を守ってきた…。盗賊共よ…与えよう、貴様等に死を。与えよう、死して尚、永遠の苦しみを』 古泉「死して尚、永遠の苦しみ…?・・・・っ!!まさか僕達がこの洞窟で戦ってきた魂火や怨霧は…」 海尊『皆、我が主の財宝を狙いし愚かな輩共の者よ。この洞窟で討たれし者は、永遠に成仏する事も敵わん。』 みくる「そんなひどい・・・」 キョン「こいつ…」 海尊『盗賊共よ…罪深き貴様等にも同じくして、永遠の苦しみを与えよう』 古泉「…どうやら、今までの敵とは桁違いのようです。心してかかりましょう」 キョン「だな、だが俺達は絶対に勝って帰るぜ」 ハルヒ「五人で力を合わせれば負けないわ!!」 みくる「そうですっ!」 長門「油断は出来ない…」 海尊『死ぬがよい。醜い欲を持つ哀れな者共よ』 キョン「行くぜ!うおおおおおおおおお!!!俺の両手に集いし力の結晶よ!その力を今こそ解き放て!!!」 『炎術・双虎牙!!!』 ガオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!! 海尊【『獄裁剣…断罪』】 ズオンッ!!!!!!!! 巨大な破壊音と共に消滅する双虎牙 キョン「何!?」 海尊は一歩跨いでキョンの真正面に入る キョン「はや…」 海尊【『獄門剣・死招』】 古泉「陰陽道・火鬼!」 海尊『!?』 刀が振り下ろされる瞬間、古泉の放つ火の鬼が海尊に直撃し、それを追撃するかの如くハルヒの双剣がうねりを上げる ハルヒ「双剣・閃光双頭切りぃいいいい!!」 しかし海尊はすぐに体制を立て直し、天の術を放つ 海尊【『天術・大空剣』】 巨大なかまいたちは逃げ場を無くし、ハルヒを襲う ハルヒ「きゃああああああ!!」 その刃は彼女の体を容赦なく切り刻み、その場に倒れ込ませる キョン「ハルヒ!!ちくしょう!長門、連携で行くぞ!!」 長門「…了解した」 キョン『炎滅斬!!』 長門『氷術・大氷棘』 横からキョンの抜刀、縦から長門の放つ巨大なつららが海尊に襲いかかる。 だが海尊はつららを剣で切り落とし、抜刀を受けきり、反撃に転ずる キョン「な、なぜ止まるんだ…」 みくる「ああああぶないですうううう!!」 海尊【『獄門剣・閻魔斬』】 キョン「しまった!(避けきれない…)」 古泉『陰陽道・風鬼!!』 放たれた風の鬼はキョンを海尊の間合いから吹き飛ばし、海尊の剣は空を切る。 そこに長門とハルヒが双方から回り込み迎撃する ハルヒ「双剣・舞い切り弐条!!」 長門「地術・地面返し」 海尊【『獄門剣・九衒刹』】 刹那に放たれる閃光の全体切りで、ハルヒの抜刀と長門の技は往なされ、二人ともそのまま吹き飛ばされる [『冥界に蠢く死霊達よ…我が式神に封じられしその力を、今こそ解放されよ!!』] 古泉『陰陽道・幽軍!!』 海尊『!?(強い!?)』 式神から生れし恐ろしい霊の大群が海尊を襲う 海尊『ぬおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』 怨霊の大群を浴び、錯乱する海尊。 その後ろでは必殺の構えをとるキョンの姿があった 古泉「今です!」 キョン「ああ…準備は完了したぜ・・・喰らえ!!!」 炎上する剣を片手に持ち、キョンは全速力で錯乱している海尊の間合いに侵入する キョン===『『『奥義!!!炎獄緋双斬!!!!』』』=== 炎に塗れる闘剣は、ついに海尊の胴を捉え、華麗な鋭さを魅せた 海尊『馬鹿な…我が体よ……我が…』 胴の切り口から徐々に光が溢れ出し海尊はその場に倒れ掛ける。 誰もが勝利を確信したその時だった。 海尊『我が命…既に失われし、何人たりとも、我が主には触れさせぬ…』 キョン「何を言ってるんだアイツ・・・もう勝負はついただろう」 古泉「…まさか!!」 海尊『仏よ…我たる命授かりし者に慈悲の恵みを与えたまん・・・』 古泉「・・・やはり!陰陽道・火鬼!!」 海尊[『復元』] 海尊【『獄門剣・旋風斬』】 放たれた鬼の火は時遅くして海尊の剣に弾かれた 古泉「遅かったようです…」 ハルヒ「どういう事!?」 長門「…彼はあの場で、治療術を行使した」 キョン・ハルヒ「!?」 古泉「まさかとは思いましたが・・・彼はどうやら僧兵らしいです。生前のね…」 キョン「なんだと!?」 みくる「みなさあん!きますよぉ!!」 海尊【『獄門剣・閻魔斬』】 五人は素早くかわすも、剣圧でやはり吹き飛ばされる ハルヒ「…っ!あれだけ戦えて治療術まで行使出来るなんてそんな奴聞いたことも無いわよ!」 古泉「…いえ、一人だけ聞いた事があります…」 キョン「…!なるほど、俺も確かにある」 ハルヒ「えええ!?全く分かんないわ」 古泉「義経と共に生き、義経と共に戦った歴史上最高の戦闘能力を持つ僧兵…」 ハルヒ「…! まさか!」 古泉「そう、そのまさかです。彼の真の名は、【武蔵坊弁慶】。紛れもなく伝説の僧兵です」 海尊【『天術・大空剣』】 長門「炎術・火翔」 海尊の放つ巨大なかまいたちに対し、長門は炎の翼をぶつける。 だが、巨大なかまいたちは炎を飲み込み長門を切り刻みかけた、その刹那 古泉「陰陽道・土鬼!」 土の鬼が現れ、身代わりとなり切り刻まれる 古泉「大丈夫ですか長門さん!?」 長門「いっくん…大好き(ぎゅう)」 古泉「ちょ、ちょっと長門さん!来てますから!来てますからって!!」 ビュン!! 海尊【『獄門剣・死走』】 風の力で速度を上げ、海尊は古泉と長門に容赦なく切り込む キョン「炎術・火走!!」 海尊『ぬうっ!』 炎を切り潰し、剣をキョンに向ける海尊 キョン「お前の相手はこっちだ!」 海尊『おのれ…』 古泉「長門さん…離れていて下さい。この術は少々危険ですので」 長門「…わかった」 海尊【『獄門剣・閻魔斬』】 キョン「負けるか!炎滅斬!!」 古泉―『陰陽道-悲観』― 海尊『!!!』 激突の刹那、瞬く間に黒い霧が海尊を覆い、包む込み 古泉「…終わりました」 ハルヒ「えっ!?なにをしたの?」 古泉「彼はあの黒い霧から出てきません。少なくとも、あと数時間はね」 長門「…素敵、いっくん」 ハルヒ「…詳しく説明して古泉くん」 古泉「その前に、あそこで伸びている彼を起こさなくては」 ハルヒ「あ、そういえばキョンのことすっかり忘れてたわ…」 涼宮ハルヒの忍劇8
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1762.html
今日は土曜日、一日中寝ていても怒られないわ明日も休みだわ最良の一日。 昼まで爆睡していたかったな。 何故過去形なのか知りたい方がおらっしゃるでしょう。 今俺はハルヒの命令でサッカーの試合に出ているのです。 元はハルヒだけが呼ばれていたらしいが一人が嫌なのか 例のごとく団長から招集がかかり、我がSOS団全員が参加することになってしまった。 ついでに地元サッカーチームなので途中参加はOKらしい、 ハルヒ「今日は絶対に勝つわよ!勝たなきゃ死刑だからね!」 キョン「別にいいだろ、俺はさっさと帰りたい訳だが・・・・」 ハルヒ「馬鹿言ってるんじゃないの!助っ人なんだから勝たなきゃ意味ないでしょ!」 野球の例があったので手っ取り早く長門に超能力を使ってもらい 俺達はアッサリ勝利することができた。 試合も終わったが俺は帰ることができなかった。 何故かって?それは・・・・・・ ハルヒ「肉やけたよ!」 というわけで俺達は勝利祝いとして地元サッカーチームの皆さんと バーベキュー大会に参加させてもらった。 たまにはこんなことがあってもいいよな。 ジダン「楽しんでますか?」 キョン「ジダンさん!」 ジダン「監督でいいですよ、皆さんもそう呼んでいますから」 ジダン「どうです?美味いですか?」 キョン「ええ、」 ジダン「ハルヒちゃんは、なんとなく奇跡を起こしてくれそうな気がするんです。」 監督、あながち間違ってないぜ ジダン「そこで時々チームに助っ人として参加してもらってるんですよ」 ジダン「実は彼女、ストーカーにあっているみたいなんです。」 キョン「えっ!?」 ジダン「皆さんには内緒にしておいたみたいなんですが、」 ハルヒにストーカーか・・・、物好きな奴がいるもんだな そういやハルヒだとすぐに俺達に助けみたいなのをだしそうなもんだが・・・ ジダン「彼女も女性ですよ、そんなこと言えるはずがないでしょう」 よかったなハルヒ、女扱いしてくれる人がいて ジダン「私はこのあいだ彼女がストーカーに追われて隠れて泣いているとこを見つけました。 その時彼女はずっと『・・・キョン・・・助けて・・・』って言ってましたよwww」 さっき食った肉が吐きそうになった。 まっさかハルヒがそんなことをいうはずがねーよ・・・な? ジダン「キョン君、ハルヒちゃんを守ってあげて下さいねwww」 監督、残念ながら俺はハルヒなんかに興味はない、・・・・多分 しかしハルヒの脅える姿、見てみたい気もするな・・・ 様々な謎?を残してバーベキュー大会は終了、SOS団も解散、 楽しいと言えば楽しかったし、どうせ家でだらけてたはずだし、 まぁたまにはいいかな、貴重な話も聞けたし、 不思議と俺の気分は晴れやかだった。 月曜日、珍しくハルヒが休んだ 火曜日、またハルヒが休んだ 水曜日、またハルヒが休んだ 木曜日、以下同文 国木田「涼宮さん、どうしたんだろう」 谷口「キョン、お前何か知らないのか?」 キョン「まったく、」 流石に一週間近く休まれるとこっちが調子狂う。 ハルヒの家は知らないし行ったら行ったで何か誤解されそうな気がするし、 長門にでも聞いてみるか・・・・・・ 放課後、部室に行くといつもどうりの長門と少し焦った感じの古泉がいた。 古泉「キョン君、大変です。ここ一週間、閉鎖空間が発生し続けています。」 キョン「ふーん」 古泉「他人事みたいですね、まぁいいです。 なにか原因を知りませんか?」 キョン「俺が知るわけないだろ、」 そういや、監督がなんか話てたっけな・・・・ ストーカー・・・・・・ あ、ストーカーね。大変だなぁ。 と言っている場合ではない。 古泉「なるほど、では早くストーカー事件をを解決しないと 僕達も大変なんですよ」。 いわれなくてもわかっている。 しかしどうしたものかね・・・、携帯も繋がらないし 金曜日、学校に一人のいい男がやってきた。 雷電「そこの君、涼宮ハルヒさんを知らないかい?」 なんだこいつ、なんかイライラする これは嫌悪感ってやつかな、 教えたらなにか嫌なことがおこりそうな・・・・ キョン「いません。」 雷電「本当に?」 キョン「本当に」 何か隠しているんじゃないかって目で見られているが事実なんだから仕方ない。 雷電「んっふっふ じゃあまた伺いますよ」 なんだったんだあいつ・・・・・・ 来週の月曜日、やっぱりハルヒは・・・・・・いた。 流石に一週間休んでいたせいか、理由でも聞いているのだろう。 女子が集まっていた。 ハルヒ「別に何ともないわよ、ただの風邪よ」 とてもそうは見えなかったな、 心配させたくないのか説明するのが面倒くさいのか。多分後者だな。 放課後、部室にやってきた俺とハルヒ キョン「ハルヒ、いったい何があったんだ、教えてくれないか?」 ハルヒ「あんたには関係ないわよ!ほっといてちょうだい!」 キョン「ほっとけるかよ!俺はお前が心配なんだよ! 俺じゃ嫌なのか!俺には助けてほしくないのか!?」 ハルヒ「キョン・・・・・・」 ハルヒ「私、誰かにつけられてるの・・・・ 毎日毎日・・・もう・・・・いや・・・」 キョン「ハルヒ・・・・・・」 俺は始めてハルヒの泣き顔を見た こんなハルヒは見たくない。俺が、ハルヒを守る、ハルヒの笑顔を取り戻すんだ・・・ 下校時間、俺はハルヒが見えるギリギリの位置から監視することにした。 ハルヒはそばにいてほしいと言っていたが、 犯人を捕まえるために離れて行くことにする。 急にハルヒの様子がおかしくなる。 もしかして・・・・・・ あの服装・・・北高のサッカー部の奴か? 肌も黒い・・・だいぶしぼれたか・・・? 犯人の目星をつけていると、突然ストーカーが走り出した! ハルヒは路地裏に逃げた、馬鹿!その方向は追い詰められるのに! 5分ぐらい走ってから、泣いているハルヒを発見した。 いつもの姿からは想像できない顔だ。 キョン「ハルヒ・・・・・・」 俺は何を思ったのだろうか、 ハルヒを抱きしめた。 キョン「ハルヒ・・・・・・ごめん!」 ハルヒ「う・・・うわぁ・・・嫌!嫌!いやあああああああああ!」 えっ?ハルヒ、どうした?俺はただハルヒを・・・ 急にハルヒは嘔吐しはじめた、なんだ、俺、何か・・・・・・ ハルヒ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 そう言った後、ハルヒは気を失ってしまった・・・ 気を取り戻したハルヒに聞いてみると、 ストーカーに抱きつかれたトラウマからきた行動らしい。 そしてハルヒはハンカチを渡してくれた、 俺のでも、ハルヒのでもない、犯人のものだ、 一応長門に確認してもらうと、俺の、目星をつけている人物といろいろなことが一致した。 最初から長門に聞いておけば良かったな・・・・・・ そうそう、犯人の名前は 三 都 主 ア レ サ ン ド ロ 俺はハルヒを救う。簡単に。永遠に サントスを抹殺する。 そのためには方法がいくらでもあるそれこそ無限 の手段がある皮肉にもハルヒを救うため手段のほ とんどに資本を必要とするがあの男を抹殺する方 法のほとんどにまったくと言っていいほどの資本 はかからない最低限の投下資本であの男は抹殺さ れるのだ最低限の資本と釣り合う程度それがあの 男の命の重さの程度だったのだ凶器は金属バット でも拾ってあの男の家を襲う推定所要時間は25 分刺し違えるつもりなら秒にしてわずか1500 秒以内に遂行できるのだあの男がいかに生かされ ているかがわかる俺が決意してわずか1500秒 でこの世から追放されてしまう程度の存在なのだ 消えろ消えてしまえ そして死んでしまえッ! ハルヒの心を引き裂いたように 貴様の心臓を引き裂いてやるッ! 償えその血をもってッ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお と、ノリで言ってみたものの、バットで殺害した後は、どうしよう 長門に頼もう。 あとは山中にでも埋めて終わり。 これで、すべてが終わる! サントスは毎日トレーニングのため近くの山までランニングをしていると情報を得た。 好都合だ。まるで自分を殺してもらう為にランニングをしているようだ。 当日、俺と長門は山中で待ち伏せすることにした。 今は一月と寒い。長門も心なしか震えているように見えた。 長門「・・・・・・来た」 見間違いなんてあってはならない。 よく見ろ、あれは・・・・・・ サントスだ! 犯人を見つけた、 真っ先に体当たり。 体勢を崩したサントスを 俺は・・・・・・ 脳内の全不要情報を廃棄 目の前の男の殺害を最優先 執行、執行、執行 ハルヒを傷付けた。 逃がすものか。 そもそも貴様はどこから湧いてきたんだ? 貴様こそが異端間違い世界の支障 貴様は俺が抹消する。 終われ、終われ、 死に絶えろ!!! 死体の処理は長門に協力してもらった。 サントスの足跡、血痕、俺達に繋がる汗、指紋、凶器、 死体は深い穴の中にいれた。 これで、終わった。 終わったぞクソッタレ!! もう夜だ・・・・・・ 後はすべてなかったかのように、帰るだけか、 そうだ、帰りに喫茶店にでも行くか・・・・・・ 古泉「月の綺麗な夜だねキョンタン!」 クソッ、やっと帰ろうと思ったときに邪魔がッ! 古泉「長門さんと夜にどこに行っていたんですか?まさかラブh」 キョン「それはお前もだろ」 古泉「それはそうですね、そうだ、送って帰りますよ、もちろん長門さんも」 すると例のように見たことある黒いタクシーがやって来た。 家まで結構あるし、何かあるような気がするが、乗せてもらうとするか・・・・・・ 古泉は長門を先に下ろし、 今は古泉とタクシーの運転手の3人となった。 移動中、古泉がやたらとひっついてきやがる、 邪魔だ 古泉「何言ってるのキョンターン、せっかく二人っきりになれたのにぃ」 運転手がいるだろ 古泉「あの人はいてもいないようなもんだし~」 まぁそうだったな 古泉「ところでキョンたん~」 「死体、上手に埋められた・・・?」 なんで どうして こいつ どうする 殺してしまうか!? 古泉「ボケもツッコミも無いのかい?」 キョン「・・・・・・は?」 古泉「悲しいよキョンタン、いつもならそこでツッコミが入るのに・・・・・・」 冗談だったのか・・・・・・? クソ 最後の最後で・・・ なんという不運 キョン「すまんな古泉、送ってもらって」 古泉「僕とあなたは今夜、出会わなかった。」 は? 古泉「僕とあなたは今夜、出会わなかった。」 キョン「それでいいなら・・・そういうことでいいが・・・」 古泉「そうだよね、あなたにとってもその方がいいでしょう」 キョン「どうして、そう思うんだ?」 古泉「いちいちうるさいな、それくらい自分で考えられないのか?」 生かしておくべきではなかった・・・・・・ でも、遅い・・・・・ 手遅れだ・・・・ 事故にあえ、死ね、死んでしまえ 安心しろ、あいつは死ぬ、 あいつにふさわしい、無惨な最後を・・・ 公園で会ったいい男に、うしろから掘られてそのまま腸まで突き刺さって、死ね せっかくかっこよく決めたのに、死に方がギャグじゃねーか、 ハハハハ・・・・・・ ハハハ・・・・・・ ハハ・・・・・・ 朝? もう、3時か・・・・・・ 3時!? 流石にやばすぎるぞ。 いつもは妹が起こしに・・・ そういや修学旅行だっけ まぁいいや、休んだほうがいいだろうが・・・・・・ ハルヒ・・・・・・ 行くか・・・・・・ みんな・・・部活してる・・・ サッカー部・・・・・ 三都主・・・・・・ その時、俺は信じられないものを見た。 嘘だ、嘘だ、嘘だ なんで、サントスが生きているんだ? 俺は真っ先に部室に向かった。 キョン「長門!どうしたんだ!サントスが!」 長門「・・・・・・」 ハルヒ「・・・・・・」 あ・・・・・・、ハル・・・ヒ ハルヒ「サントスが・・・・・・どうかしたの・・・?」 キョン「いや・・・なんでも・・・ない」 俺は長門を何故か開放されている屋上へ連れだした。 キョン「長門!どういうことだ!なんでサントスが生きているんだ!?」 長門「わからない。予測不可能な事が起きた。」 まさか・・・・ キョン「俺は・・・ちゃんとサントスを・・・・殺したよな?」 長門「確認している。あなたは確かに執行した。」 じゃあ、何故・・・・・・? 放課後、ハルヒを家に送った後 俺は長門と共にサントスを埋めた場所に向かった。 キョン「ここだよな?」 長門「間違いない」 流石に土を掘るのは男の仕事だ。 ついでに前も掘るのは自分でした。 間違いない、この感触・・・・・・ キョン「長門、暗くなってきたから、明かりをつけてくれ」 光がさした。そして、招かざる客も発見した。 スネーク「待たせたなキョン、月の綺麗な夜だ」 キョン「ソリッド・スネーク!」 スネーク「雷電、ここなのか?」 雷電「ああ、ここだ」 なんでここに奴らが? なんの用だよ! スネーク「気にしなくていい、ダンボールだとでも思えばいい」 キョン「気にするな!?」 スネーク「ああ、こんな時間に、真剣に作業してるんだ 邪魔する必要はないからな」 キョン「遠慮します。」 帰ろうとしたところ、雷電と名乗る奴に俺は腕を捕まれ、 水溜まりに叩き付けられた。 雷電「続けるんだ。」クソッ!なんで俺がこんな目に・・・・・・ おかしい、土が固くなってきた。 こんな深く掘ったのかも怪しい。 スネーク「どうやらスタミナ切れらしいな、雷電」 俺はまた放り投げられ、雷電が掘り始めた。 雷電「スネーク、ちょっと見てくれ」 スネーク「どうした?」 雷電「排水管だ、そしてもう手応えがない。 これより深いってことはないだろう」 スネーク「掘り返す場所を間違えた、とか?」 雷電「いや、最初は掘り返す感触だった。」スネーク「なんだそりゃ、無駄足ということか?」 そういえばサントスは生きているんだった。 死体が出てこないのも普通・・・・・・か? 俺は何事もなかったかのように帰る二人を、 ただ、座ったまま眺めていた。 もう、手段などどうでもいい どうせ狂った世界なんだ 俺は処分したはずのバットを手にとった。 行こう、奴の、サッカー部に・・・・・・ なにか音がする。 風呂か・・・・・・ 北高には風呂があったのか 気になる。開けてみよう。 やはり狂った世界だった。 熱湯の風呂には、何故か彼女がいた。 キョン「ハルヒ!!!!!!!!!!!!!!!!」 ハルヒ「キョ・・・・・・ン!?どうし・・・・・て?」 キョン「そんなことより、すぐ冷やしてやるからな!」 俺はハルヒを熱湯から出して、部室にあった氷をもってきた。勃起している暇などない。 ハルヒ「キョン、ありがと」 キョン「それより、なんでサッカー部になんかいたんだ?」 ハルヒ「サントスに、連れて来られて・・・・」 あの野郎!殺してやる!必ず! ハルヒ「それよりキョン・・・いつまでこんな格好にしておく気?」 キョン「あ、悪い」 ハルヒ「もぅ・・・ SOS団の部室に行きましょう。コスプレ衣装で我慢するわ」 よくよく考えるとこれはセクロスフラグなんじゃね?と思った。 それだけ 幸いサッカー部から文芸部まで誰一人と会わなかった。 バスタオルの女ってだけでヤバいのに、 一緒に歩いているとなんかしたのかと誤解されるからな。 部室を開ける俺、中にはこれまた信じられない光景が映った。 長門が・・・頭から血を出して・・・死んでいる ハルヒ「嫌あああああああああユキイイイイイィィィィィィィ!!!!!」 まただ!なんで!なんでなんだよ! ハルヒ「・・・・・・ヒッ!」 急にハルヒが脅えた声をだす。 隠しておいたバットがさらけてしまった ハルヒ「ひ・・・人殺し!」 キョン「違う!俺じゃない!話を聞いてくれ!」 ハルヒ「誰が信じるのよ!あんたが!あんたがっ! もしかして・・・古泉くんもあなたが・・・・・・?」 キョン「古泉が・・・・・どうかしたのか?」 ハルヒ「公園で死んでいたのよ!肛門からバットを突き刺された変死で!」 えっ?それって・・・俺が望んだ死に方と・・・同じ? 古泉が・・・死んだ? しかも俺が望んだ死に方で? もしかして、スネークと雷電も? 説明しておくとあの時二人が帰った後、 俺は二人の死を望んだ。 スネークは変な二足歩行兵器に踏まれて死ねばいい。 雷電はウホッ大佐に掘られて死ねばいい。 と・・・・・・ ハルヒ「来ないで!人殺し!」 回想に浸っている場合じゃない。 ハルヒは立ち尽くす俺を突き飛ばし、屋上に逃げていった。 屋上についた。 ハルヒは隅の方でうずくまっている ハルヒ「来ないで!来ないで!」 キョン「違う!俺は、古泉も長門も!殺してなんかいない!」 ハルヒ「じゃあ!そのバットは何なのよ!」キョン「・・・・・・っこれは・・・・・・」 ハルヒ「ほら!キョンは殺人鬼じゃないの! どうしてよ! いままで一緒に、私と・・・・・・」 キョン「ハルヒ・・・・・・ 俺には、わからない、 でも、これだけは・・・・・・ 長門と古泉を殺したのは俺じゃない!」 ハルヒ「どうやって信じればいいの!? そのバットも、納得のいく説明ができるの!?」 キョン「バットが、怖いのか?なら、捨てるから・・・・・・」 俺はバットを屋上から投げ捨てた。 下に人がいたかもしれないが、知らん。 キョン「ハルヒ、もう怖くないだろ・・・? 話を聞いてくれるか?」 ハルヒは立ち上がり、 ゆっくりと・・・俺の方に向かってくる。 ハルヒ「ううん、キョンは悪くないの・・・・・・ 悪いのは、全部私・・・・・・ 私が、退屈しないことが起きてって望んだから・・・・・・」 忘れていたが、ハルヒにはそんな能力があったな、 もしかして、この事件の原因は・・・・・・ キョン「ハルヒ・・・・・・」 ハルヒ「キョン・・・・・・」 キョン「ハルヒ、実は俺、ポニーテール萌えなんだ」 ハルヒ「何!突然!?」 キョン「いつぞやのお前のポニーテールは、反則なほどに似合っていたぞ」 ハルヒ「何!?ちょっと!」 忘れたくなるような出来事を、俺はまったく違う状況でおこなっている。 まさか二回もハルヒとキスをするとは思わなかった。 ハルヒは何も言わずに、俺の目の前にいただろう。 世界が、変わっていく やはりここは閉鎖空間だったのか・・・・・・ これで・・・この狂った世界とオサラバだ・・・ フト気付いたが、何処からが閉鎖空間だったのだろう。 いろいろと思考を凝らしている内に・・・俺は・・・・・・・・・・・・ 気付くと、タクシーの中にいた。 見回すと、死んだはずの長門と古泉、 まったく、何があったかさっぱりわからん 古泉「ようやくおめざめですか? どうでした?3度目の閉鎖空間旅行は?」 キョン「お前・・・、知ってたんならもっと早く教えろよ」 古泉「教えに行ったのですよ、 でも侵入した瞬間、謎のいい男に掘られてしまいまして・・・・・ すぐに脱出したわけです。」 キョン「じゃあ、長門は・・・・・・」 長門「今回の空間は、私にも潜入できた。 でも、侵入した瞬間、すぐに意識が途切れてしまった。」 と、いうことは、閉鎖空間で見た長門は、本物の長門だったのか? キョン「ったく・・・・ ハルヒも厄介なことしてくれるぜ」 溜息と苦笑が同時にでた。 なにせ今回はハルヒの裸を見たし、いいことにしておこう。 そういやハルヒの身体って結構いい身体してたな・・・・・・ くだらないことを考えていると、古泉がいつもの笑顔で、くだらないギャグを言いやがった。 「ハルヒって・・・・・・誰ですか・・・・・・?」 ハハハ、何言ってやがる。 ハルヒだよ、涼宮ハルヒ。 この事件の原因の閉鎖空間を発生させて お前が神と崇めている奴じゃないか 古泉「今回の原因はあなたじゃないですか 時空改変能力をもっているのもあなたですよ」 what?は?え?何? キョン「長門、古泉のギャグに笑ってやれよ」 長門「冗談ではない。古泉一樹が話していることは、すべて事実」 本当か長門?それじゃあ涼宮ハルヒは・・・・・・ 長門「存在しない。あなたが造り出した、空想の人間」 ああ、なんだそうか、 じゃあ、涼宮ハルヒと過ごした、いままでは・・・・・・夢と同じってことか・・・・・・ うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 「!! キョン君!どうしたんですか!キョン君!」 もう・・・どうでもいい・・・ 「長門さん!何かキョン君の意識を戻す方法は?」 俺には世界を変える能力があるんだよな・・・・・・ なら・・・新しい世界で・・・・ ハルヒと・・・一緒に・・・・・・ 「危ない。世界を新しく想像しようとしている。」 「そんな!また変えられたら、もう!」 「大丈夫、私がなんとかする。」 長門・・・・やめてくれ 俺は・・・・この世界には未練はない・・・・ 新しい・・・世界で・・・・・ 俺の世界を変える能力は消えた。 俺は、生きる気力を無くした。 もう、どうなってもいい。 あの世には、ハルヒみたいな奴がいるといいな 「駄目よ!死ぬなんて言ったら!」 この声は・・・・ハル・・・・・・ 古泉「僕です。さぁキョンタン!アナルギアをしましょう!」 今の俺には世界を変える能力はなくなったんだよな でも、ここでお前の存在を消してみるよ 俺 如 キ ニ 祟 リ 殺 サ レ ル ナ ヨ ? ひぐらしのなかないハルヒ 祟犯し編 完
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4668.html
その日、俺は誤ちを犯した。 「みくる。夏のせいだ。そうだ。夏が全て悪い」 偶然着替えを見てしまった俺は、みくるを産まれたままの姿にしていた。 「はうはう、こんな事をしたらハルヒさんが」 唇を優しくふさぐ。指先タッチ感覚。 そして、俺は燃えた。燃え上がった。世界は溶解し、俺の前に征服され、一人の女を支配した俺に不可能はなく、万能感が、俺に自身を神と告げていた。 ガチャ。部室の扉が開いた。 「ちょっと何してるのよ、キョン!」 驚愕というのを絵に描いたような表情でハルヒが俺を見ていた。 そして、その目に涙が盛り上がってくる。 「待ってくれ。違うんだ、ハルヒ」 俺は手を上げてそう言っていた。 「何が違うのよ、キョン。もういや、皆いやーーーーーーー」 そして、ハルヒの記憶から俺達は消えた。 入学式まで時間は戻り、俺の後ろには普通の女。 更に、古泉が調べてところではハルヒは坂の下の進学校に行ったのだという。 俺は、愕然として入学式を迎えていた。 あの時をまたやり直せたら、夏の妖精の誘惑すら振り切ったのに。 翌日、目を覚ました俺は、重い気持ちで、着替え、朝食を終え、そして、ダッシュしていた。 遅刻だ。このままでは完全に遅刻だ。 そして、学校に向かう、最後の角を曲がった瞬間。 背後から女生徒に激突していた。 かばんが開きモノが散乱する。 その女生徒が顔を上げる。黄色いカチューシャをした凄い美人がそこにはいた。 「ちょっとあなた。前に会った事がある」 もし、ハルヒに再び出会えるのなら。 そんな偶然を神が起こしてくれたのなら。 もう間違わない。 もう道を間違えはしない! 「ああ、会ったさ。三年前に、俺はジョン・スミスだ」 俺はハルヒを抱きしめてそう言っていた。 まわりの遅刻気味の生徒の視線も気にしなった。 もし、再び、やりなおせるのなら。 「今度は浮気したらダメだからね」 ハルヒが怒った目をしてそう俺を睨んだ。 判っていたのかハルヒ。お前もやり直したかったのだな。 あの日、あの時をやり直せるのなら! 通学路の脇にあるラブ・ホテルが俺達を誘っていた。 もう俺達の愛を阻むものは何もなかった。 そう、夏の妖精ですらも。 二人のラブストーリーはまだ始まったばかりだ・・・・・・。 涼宮ハルヒの再 会 完 灼熱の夏再び、みくる・マイ・ラブ~二度めの誤ち~につづく
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4844.html
「涼宮ハルヒの歓喜~サンタが町にやって来た~」の続編です。 12月25日。今日が本当のクリスマスだ。 しかし、町は気の早いもので華やかな装飾は剥がされ始め、 次は正月へと向けて彩りを変えている。 学校も明日から冬休みに入る為、終業式という事で学校に来たのだが、 「う~…」 どうやら俺はサンタのトナカイ探しやらパーティーの後の一件で 雪の降る真冬に外をウロウロ歩き回ったせいで 少し風邪を引いてしまったらしい。 しんどい…咳が止まらない…休めば良かったかも。 しかし、熱っぽいのはそれだけが理由ではないだろう。 クリスマスが終わったというのに俺は未だに浮かれ気分が抜けない。 昨日の夜は結局、眠れずじまいだった。 一晩中、落ち着かなくてモソモソと動いていた。 とうとうやっちまった…俺はとうとうやっちまったのだ…あのハルヒに… いきなりあんな事やるなんてあの時の俺はどうかしちまってたのか!? いきなりハルヒに抱きついて、今でも思い出すと 恥ずかしくて顔が真っ赤になりそうな台詞吐いて、 手を繋いで…やばい、また熱が出てきた。 その後、結局ハルヒを家に送り届けるまでの道で 2人共、照れと恥ずかしさでお互いまともに顔を見る事も 言葉を交わす事さえも出来なかった。 別れ際の「おやすみ」が精一杯だった。 俺はどんな顔してりゃ良いんだ? ハルヒはどんな顔して後ろの席に座るのだろうか? 緊張してきた…やっぱり今日は学校休めば良かったかも。 昨日の夜は全っ然、眠れなかったわ…。 どんな顔して学校行けば良いのよ? 普通に「おはよう」とか言って席に着けば良いかしら? でも、それだと何にもなかったみたいに受け流す冷たい嫌な女だわ… かと言って今更、可愛い子ぶりっ子なんて出来ないし!したくもないし! あぁ!!もう!!こんなの中学までで散々慣れてたはずなのに! なんでキョン如きにこの私がここまで悩まなされきゃいけないのよ! 雑用係のくせにいきなり団長様を抱き締めてくるとか反則よ! キャラ崩壊の危機だわ! とりあえず、今日は早めに学校行って絶対、キョンより先に席に着かなきゃ。 やっぱり何事も最初が肝心なのよ! イニシアチブは常に私が握っておかないと! 「あいつ…なんでもう教室にいるのよ!!」 早いわ!早過ぎるわよ!だってまだ7時半前よ! 全校生徒のほとんどがまだ来てないし、絶対に私が一番乗りだと思ってたのに! 教室に二人っきりなんて余っ計に気まずい空間じゃないのよ! 仕方が無いわ、とりあえず時間稼ぎに部室棟に…あっ…… 突然、教室の扉が開き、キョンと目が合った。目の前に立っている。 「おぅ…」 2人共、突然の事に驚いて固まっていたかと思うと咄嗟に視線を逸らした。 「あの、その、何だ……」 「……な、何よ?」 黙ってないで何か言いなさいよ! 「い、いや…お、おはよう…」 「おはよう…」 「…ちょっとトイレに行ってくる!」 キョンは廊下に出てトイレの方へと歩いて行った。 びっくりしたぁ~…何でいきなり出てくんのよ!?バカキョン!! びっくりしたぁ~…何で突然目の前に現れるんだよ!?ハルヒ!! でも、これで予想外とはいえ何とか挨拶は出来た。 これで少しは落ち着いて行ける!(はず…) 教室に戻るとハルヒはこちらに背を向けて窓の外の遠くの方を眺めている。 配置から考えるに俺の方から声を掛けないと行けない状況のようだ。 くそっ、やられた…せっかく朝に弱い俺が頑張って早くから学校に来て ポジションを先取してたのにトイレに行ったせいで攻守交代だ…。 席に座って待っているとキョンが戻ってきた。 やっぱりまだ恥ずかしくて顔を見る事が出来ない。 わざとらしいかなと思いつつ、頬杖をつきながら 窓の外の空から降ってくる雪を見ていた。 「今日は早いんだな」 あんたのせいよ! 「ま、まぁね…終業式だし、一年の最後くらいはきっちり締めたいじゃない!? あんたこそ、早いわね!」 「あぁ、そうだな…」 なんて可愛くない返事しか出来ないのよ!私! 2人しかいない朝の静かな教室に気まずい沈黙が流れる…… 突然、キョンが咳き込んだ。 「あんた、風邪引いてんの?」 「あぁ、ちょっとな」 「うつさないでよね、別に今日くらい家で寝ときなさいよ! どうなっても知らないわよ!」 違うわよ!私の馬鹿!そんな言い方無いでしょうが! 「いや、今日だけは何があってもちゃんと学校来たかったから」 え? 「いや、その…あの…昨日のあれ、な……」 そこまで言ってキョンは顔を逸らし、会話が途切れた。 「まさか、あんた、あんな事しといて冗談でしたとか言うつもり!?」 そんなのマジ、許さないわよ…。 「いや!違う!あれだ…それは何というか…逆だ…」 「逆?」 「昨日のあれな…あれ、本気だから。 それだけはメールや電話じゃなくて今日、ちゃんと直接会って言いたかったんだ。 そうしないとお前に怒られそうだからな」 「あ、ありがと…」 と、言うハルヒの俯きながら見せた、はにかんだ笑顔はすこぶる可愛く 熱に浮かれた頭と理性は吹っ飛びそうだった。 「なぁ、ハルヒ…」 「な、何?」 ハルヒは顔を上げ見開いた目をこちらへ向けている。 「今日、終業式出るか?」 「え?」 「いや、通知表も貰ったし、今日やる事って終業式くらいだろ? 学校サボって抜け出さないか?」 ハルヒが俺を無理矢理連れ出す事は何回もあったが、 俺からハルヒを引っ張り出すのは初めてのような気がする。 「サボってどうすんのよ?」 「なんか今日はハルヒと2人だけでいたい気分なんだ」 昨日の夜から何度もシミュレーションしてきたとは言え、 実際、口に出すと我ながらなんてキザな台詞だ… 「私は別に良いけど…でも、あんた風邪引いてるんでしょ!? こんな寒いのに外に出るなんて無茶したら…」 そういうハルヒの手と鞄を俺は有無を言わさず取り上げ、歩き出した。 「ちょっとキョン!どこ行くのよ!?」 そんなの決めちゃいない。 「今日は…デ、デートだ!!」 やっぱり今日の俺は相当、熱がある。暴走気味だ。 俺達は2人で何回、この坂道を行き来したのであろう? まだ生徒の数も片手で数えられるほどにしかいない坂道は雪で凍っていた。 足を滑らせないよう一歩ずつ踏みしめながら歩く。 ハルヒと2人で歩くなんて散々慣れていた事なのに今日はいつもと違う。 俺が前を歩き、ハルヒの手を引いている。 心臓が脈打ち、ただ一緒に歩いているだけで素直に嬉しい。 坂を下った所でハルヒが足を止めた。 「キョン!これからどうするのよ!?」 確かにここまで来ちまったが、さて、どうしよっかな? 「まだ何も決めてないが…」 そういうとハルヒは溜息をついて呆れたような顔をしている。 「あんた、本当に計画性のかけらも無いわね!」 お前にだけは言われたくない! ハルヒは鞄から昨日、俺があげた手袋を取り出し、はめていた。 「ほら!あんた、風邪引いてるんでしょうが!」 と、ハルヒは俺の鞄を無理矢理あさり、 昨日ハルヒから貰ったマフラーを取り出して俺の首を思いっきり締めてきた。 「く、苦しい、息が出来ないって!」 「いい気味よ!キョン如きが私に命令するなんて100万年早いの!だから罰よ!」 と、言うハルヒは俺に太陽のような笑顔を向けていた。 2人でこの道を横に並んで歩いていこう。 どっちが前でも後でもなく、2人並んで手を繋ぎ。 横を向けばあなたの顔が見える場所。 ここは他の誰にも譲りたくない指定席。 あなたの目が、鼻が、耳が、頬が、髪の毛が誰より近く見える場所――― ただ、雪の中を2人で手を繋いで歩いていた。 どこへ行くか、とか何をどうするかなんて目的がある訳じゃない。 ただ、俺はハルヒと一緒にいたかっただけ。誰にも邪魔されずに。 「ねぇ、キョン」 ハルヒはボーッとした顔で訊ねてきた。 「ん?なんだ?」 「あんたバスって乗った事ある?」 なんだそりゃ? 「そりゃあるに決まってんだろ」 「じゃあ、あのバスってどこまで行くか知ってる?」 ハルヒが指差す先には停留所に白いバスが止まっていた。 「さぁ?マニアじゃないから知らんな」 「じゃあ、乗ってみましょう!どこに向かうか探検よ!」 そんなハルヒの子供じみた思いつきはいつもの事だから驚きはしない。 むしろ、外は寒いからバスで移動するっていうのは悪い手じゃないな。 バスに乗ると朝にも関わらず誰も乗っていなかった。 人が集まる場所とは反対方向に走っているからだろう。 「空いてるな」 どこに座るかと考える間もなく、ハルヒは一番奥へとズンズン進んで行く。 「やっぱりバスは一番奥の席に限るわね!」 と、やたら嬉しそうな笑顔をしてドカッと座り込んだ。 「まぁ、奥は席が広いからな」 「あと、乗ってる人間全部が見渡せるのが良いのよね! この世の支配者~!って感じで!」 いや、それは意味が分からん…。 バスはゆっくりと音を立て雪の中を走り始めた。 揺れる度に隣に座るハルヒの細い肩がぶつかる。 バスが静かに動きを緩めて止まった。 停留所で誰かを乗せるようだ。 「さぁ、どんな面白い人が乗ってくるかしら?」 別に普通の利用客だと思うがな。 バスに乗ってきたのは老夫婦だった。ゆっくりと歩を進めている。 二人とも身体のどこかが悪いのだろうか? お互いがお互いを支え合うよう、補い合うようにこちらへと歩いてくる。 おじいさんの方が俺達に話し掛けてきた。 「おや?珍しい。この時間に人が乗ってるとはの」 「こちらどうぞ」 ハルヒは立ち上がって席を譲ろうとした。 「ありがとう。どう?一緒に座りましょうよ」 おばあさんは柔和な笑顔で俺達に促してきた。 「うちのばあさん、一番後ろの席が好きでな。 広いから夫婦で座っても誰か他の人とも一緒に座れるからって。 それが好きなんじゃよ」 俺達は席を詰め、おじいさんは優しく笑いながらおばあさんをそっと座らせた。 バスは再び、ゆっくりと走り始めた。 「君らのその制服、北高じゃろ?」 おじいさんは俺達に視線を向けている。 「はい」 礼儀正しいハルヒは久し振りに見た気がする。 おばあさんが笑いかけてきた。 「と言う事は終業式をサボって2人でデートね?」 「これ、ばあさん!」 見事にバレた…色々言われたら面倒だな。と考えた俺を見透かしたようだ。 「ふふ…大丈夫よ。私達も高校生の時にお互い授業や式を抜け出ししたものよ、 昔は見つかると大変だったけど」 おばあさんは昔を懐かしむように笑っている。 「このバスに乗っておるという事は港に行くんじゃな?」 港? 「終点じゃよ。最近は港にデートへ行くのが増えておるらしいからの。 よくある、そこで結ばれたら一生結ばれるだなんだの言う話じゃよ」 「私達の頃は何もなかったから2人でいるのに都合が良くて 港へ行ってたけど、時代は変わってるのね」 2人は笑っている。 「あそこで初めて結ばれた2人っちゅうのは恐らく儂らの事じゃよ」 「またその話ですか、おじいさん。いつも言ってるんですよ、この人」 恐らく、その噂や伝説を広めたのがこの2人なんだろう。 まぁ、生き証人が目の前にいる訳で嘘はついてないから文句も言えないが。 「喧嘩もいっぱいしたし、一生結ばれるなんてそんな可愛いものじゃないけど それはそれで悪くはない、楽しいものよ」 2人の幸せそうな笑顔を見ていると納得せざるを得ない。 「じゃあ、儂らはここで。席を譲ってくれてありがとう」 おじいさんは俺に意味ありげな視線を投げ掛けてきた。なんだ? 2人はバスを降りて行った。 「ああいう夫婦って良いよな…」 俺は何気なくぽつりと思った事を口に出しただけだったのだが… 「なっ、何言ってんのよ!?バッカじゃないの!?」 何故かハルヒは真っ赤になって怒り出した。 「でも、まぁ面白そうね!キョン!港に行きましょう!」 おいおい、まさかあんな伝説を信じた訳じゃないだろな? 「そういう伝説は見過ごせないわ!何かあるかもしれないじゃない! 不思議探索よ!ねっ!」 まぁ、時間を潰すには最適か、俺が引っ張り出した事もあるしな。 ハルヒがこんなにご機嫌になるなら断る理由も無い。 メールが来た。ハルヒと2人同時に終業式をサボったから また谷口あたりがからかいのメールでも寄越したんだろう。 無視だ、無視。 バスは静かに終点へ滑り込んで行った。 終業式も終わり、部室に足を運んでみると長門有紀の姿しか見えなかった。 「おや?長門さんだけですか?皆さんはどうされました?」 「朝比菜みくるは先程来室し、すぐに立ち去って行った。あとの2人は不明」 そうですか…彼と昨日サンタクロースに貰ったゲームをやりたいと 思っていたのですが、いないのでは仕方がありませんね。 「では、僕もここでしばらく時間でも潰しましょう」 港に着いて歩いてみると綺麗に舗装はされてあるが平日と言う事もあり、 誰も人がいないようだった。 きっと夜景が綺麗になる時間に人が集まって来るのだろう。 時折吹く強い潮風がハルヒの髪を巻き上げる。 「うぅ~…寒いわね!!」 何に対して怒ってるんだ? 雪が海に散りばめられる宝石のように落ちては消えていく。 「まぁ、景色としてはなかなかのものね!とりあえず合格にしといたげるわ!」 またハルヒは訳の分からない事を言っている。 寒さのせいで鼻水が出てきた…。 「汚いわね!!ほら、これ使いなさいよ!!」 ハルヒは鞄の中からポケットティッシュを出してきた。 「ありがと、これ貰って良いか?」 「好きにしなさい!!」 さっきから笑ったり怒ったり忙しい奴だ。 そういうハルヒを見てるのは面白いんだけどな。 「何、ニヤニヤしてんのよ!?気持ち悪いわね!!」 「ん~?いや、コロコロと表情が変わるから面白い奴だなぁ~と思って」 俺は今、意地悪な笑い顔になってるに違いない。 「う、うるさいわね!!」 ハハ…今度は真っ赤になって照れてる。本当に面白い、そして… 「…可愛いな」 お、今度は驚いて目を見開いている。 「バ、バ、バッカじゃないの!?あんた何!? さっきから私の事、馬鹿にしてんの!?あんまり調子に乗ってると…」 ―――!!! ハルヒのよく動く唇を塞いだ。 町の喧噪は消え、静かに降る雪も動きを止めた。 風の音だけが遠くで聴こえる。 時間が止まったかのようだった。 「……ちょっと調子に乗り過ぎたからまた罰金かな?」 「本当に調子に乗り過ぎよ…馬鹿…」 ハルヒは俺の手を握り締めたまま俯いている。 「もうちょっと雰囲気とかタイミングってもんがあるでしょうが… 本当にデリカシー無いわね、バカキョン…」 「ハハ…すまん。あと俺、風邪引いてるのすっかり忘れてた…ハルヒにうつるかもな」 ハルヒが抱きついてきた。 「もし風邪引いたら責任取りなさいよね…」 「そうだな、分かった。」 この笑顔をずっと守っていこう…俺はそう誓って 昨日よりも、もっと強くハルヒを抱き締めた。 「あと、ハルヒ……」 「……何よ?」 「お前の唇って柔らかくて暖かいな」 鞄で思いっきり殴られた。 新しく手に入れたボードゲームの説明書を読みながらゲームの研究をしていた。 彼にはかなり大きく負け越してしまってますからどうにかして 勝ちを積み重ねていかないと卒業までに逆転するのは難しそうです。 彼は僕の予想ではきっと人類史上、類い稀なるゲームの達人、 恐らく天才なのではないかと考えています。 まぁ、彼以外とはあまりゲームをやる事はないのですが…。 そういう意味では彼も涼宮さんに選ばれた特異なる人間の一人なのでしょうか? そんな事を考えていると携帯が鳴った。どうやらメールが来たようです。 機関から?閉鎖空間発生?彼らはどこへ行ったのでしょうか? また彼は凉宮さんに何かしでかしたのでしょうか? 「長門さん」 長門有紀は何かを察知しているのか、もうすでに僕の方へ視線を向けていた。 「もし彼らが来たら伝えておいて下さい。急なバイトが入ってしまいました、と」 「…了解した」 ハルヒは照れているのか俺の顔を全く見てくれない。 と言う俺も心臓が破裂しそうなのだが…。 気が付いたらお昼を過ぎていた。どおりで腹が減る訳だ。 どこかで昼飯でもと思ったが、終業式も終わってる時間だろうし、 途中で何か買って部室で食べようと言う事になった。 学校へ戻る為、バスが来るのを待つ停留所は寒い。 缶コーヒーを買って2人で手を暖め合った。 バスに乗るとハルヒはまた一番奥の席へとズンズン進んで行った。 よっぽど一番奥の席が好きなんだな…。 この時間帯は乗客もまばらで俺達の他には数人しか乗っていない。 ハルヒは俺の手の上に細く長い指を絡ませている。 車内は暖房が効いていて暖かい。 エンジンの心地良いリズムと揺れも相まってハルヒは眠気が襲ってきたのであろう。 俺の肩に頭を乗っけて眠りこけている。 子供のような寝顔だ。 かくいう俺も少し眠くなってきた…。 俺も少し居眠りしようかと考えた、その矢先だった。 大きな音と衝撃と共に目の前が雪化粧に包まれたように真っ白になった――― 大きな音と衝撃で目を覚ますとどっちが上か下か分からくなっていた。 キョンが私に覆い被さってきている。 「ちょっとキョン!いくら何でも調子に乗り過ぎよ! バスの中で私の寝込みを襲うなんて変態にもほどがあるわよ、エロキョン!」 キョンの体を突き飛ばそうとした。しかし、キョンからの返事はなかった。 「キョン……キョン?」 私の肩にキョンの腕がただ力なくぶらりと垂れ下がっていた。 ふと手に暖かい感触が残る。 血だった。 キョンが頭から血を流していた。 「嘘…いや…」 私はキョンにしがみついていた。 「嘘でしょ…冗談でしょ…やめてよ、キョン…ねぇ、キョン…」 自然と涙が込み上げてきた。人前でなんか泣いた事ないのに…。 「キョン!!!キョン!!!いやぁぁああ!!!!!!!!!!!」 私はありったけの大声で彼に向かって叫んだ――― 長門さんからのメールを見てズキンと胸に何かが刺さるような感触がして重くなった。 私が病院に向かうと彼らの家族、そして彼らのクラスメイトの何人かがいた。 キョン君の妹さんはキョン君の名前を呼びながら泣いている。 その中に長門さんと鶴家さんが静かに立っていた。 「みくる…」 鶴家さんは目を赤く腫らしていた。 事の詳細を訊ねると雪道でスリップした大型トレーラーが 彼らの乗っていたバスに突っ込み、バスが横転してしまったらしい。 その時にキョン君は頭をぶつけ、意識が無く現在、手術中だと言う事だ。 凉宮さんは精密検査を受けているらしい。 凉宮さんはキョン君が咄嗟に体を投げ出し、覆い被さったお陰で ほとんど無傷だったようだ。 精密検査を終えて出てきた凉宮さんはずっと 泣きながらキョン君の名前を叫んでいた。 凉宮さんの叫びが責められているようで胸に強く深く突き刺さる。 キョン君の手術は長引いた末に終わったようだ。 まだ意識は戻らず予断を許さない状態で集中治療室にいる。 私は…私には… 「ねぇ、キョンは…キョンはどうなったの?ねぇ、教えて!!」 私はひたすらに病院の廊下でそればかり叫んでいた。 それ以外に何も関心は無かった。 手術は終わったとは聞いた。でも、その後は誰も何も言わない。 キョンのご両親と医者がこちらへと歩いてきた。 お母さんの方が声を掛けてきた。 「あなたがハルヒさん?」 「はい、彼に……一目だけでも良いので彼に会わせて下さい!!」 キョンのご両親は医者の方へちらりと視線をやり、医者が頷いた。 「あなたも事故にあったのにこんな事頼むのもあれなんだけど 行ってあげてくれないかしら?」 キョンは眠っていた。 顔に傷も無いせいだろう、本当に眠っているようにしか見えなかった。 私は彼の手をそっと握った。 きっと私が無傷だったのはキョンが体を張って守ってくれたからだろう。 「ありがとう、キョン」 涙が溢れてきた――― その時だった。私の手をキョンの手がそっと包んできた。 キョンの目が静かに開く。 「キョン…キョン!!」 状況が掴めてないのかキョンは虚ろな目をしている。 「キョン!!」 こちらに視線を向けてきた。 「ハルヒ……」 私の涙がキョンの手に落ちた。 「ハルヒ、無事だったんだな……」 「…馬鹿。なんでこんな時まであんたは…人の心配する前に自分の心配しなさいよね」 私は無理して笑った。 「だ、団長命令よ…早く元気になりなさい… SOS団の活動はまだまだいっぱいあるんだから… それに…これからは…一緒に…2人で…」 私は声を出そうと思ったが、涙に遮られた。 「ハルヒ…」 「…何よ?」 「実は昨日の夜の…ドキドキであまり寝てないんだ……」 「…うん」 「だから、ちょっと寝かせくれないか…」 「…うん」 「…そんなに泣くなよ、笑ってるハルヒの方が俺は好きだぞ」 「…うん」 「おやすみ……ハルヒ…」 「おやすみ……キョン…」 2人は柔らかく、暖かく、そっと唇を重ねた……。 それは永遠よりも遥かに長い長い…一瞬の出来事だった―――― 私は…私には…止められなかった…。 分かっていても止める事は出来ないし、 止めてはいけない事だとも十分、承知していた…。 覚悟はしていた。でも…我慢出来ず、最後に一目だけでも会いたくて キョン君にメールをした…返事は来なかった…後悔だけが残る…。 自分の無力さに…そして皆で過ごした日々に…。 あれから三日後。 キョン君の葬儀を終えた私と長門さんは彼女の、凉宮さんの元へと向かった。 小泉君はあれ以来、姿を見せていない。 凉宮さんはキョン君の死が受け入れられず、まだ病院にいる。 治療室から運び出される時も彼の手を離すまいとしがみついていた。 凉宮さんの病室の前まで辿り着いたものの、なんと声を掛けようかなどと 入るのを躊躇っていると、声を掛けられた。 彼にいつもの笑顔はなく、暗く沈んだ顔をしている。 「小泉君……」 「先程、彼に会いに行ってきました。何というか…まだ実感が湧きませんね…」 「…私もです、小泉君はもう大丈夫なんですか…」 彼は寂しそうに首を横に振った。 「もはや世界は僕らの手の届かない状態になりつつあります。 大きく改変される事になるかもしれません。 機関の人間も様子を見守るしか出来なくなってしまいました…」 彼は彼なりにここ数日、大変だったのだろう。 キョン君や凉宮さんの事に思いを馳せつつ…。 「先程、彼のご両親からこれを預かってきました」 と、小泉君は封筒を取り出した。 「凉宮さんへの預かり物です。彼のノートに挟んであったようです」 僕ら3人で病室に入ると凉宮さんは重く暗く沈み、 ベッドの脇にある椅子に座って空を虚ろな目で眺めていた。 どうやら僕らの声は届かないらしい。 「これは彼から凉宮さんにあてた手紙のようです。ここに置いておきます」 窓際に封筒を置いて僕らは立ち去った。 凉宮さんに掛ける言葉も思い付かなかったからだ…。 凉宮さんの病室の前のベンチに座ると朝比菜みくるが静かに泣き出した。 「朝比菜さんは…」 誰もいない暗い病院の廊下に僕らの声が響き渡る。 「…この事実についてご存知だったんですか?」 朝比菜みくるは何も答えずにただ黙って頷いた。 「そうですか…だからクリスマスにサンタクロースが空を飛んでいる姿を 皆で見ようと提案なさったんですね…」 「…せめてこんな形になるとは言え、最後に皆で想い出を残したかったんです。 …私はこの出来事を見届ける為だけにこの時代に送られたと言っても 過言ではありません。それほど今回の事は未来においても重大な事なんです」 「…彼を助ける事は出来なかったんですか?」 言葉に出して酷い事を聞いてしまったと後悔した…。 助けられるものなら助けていただろう。その時、長門有紀が口を開いた。 「…これは彼の寿命。どういう形であれ、今年12月25日時点での彼の死は 確定していた。変更する事は不可能。例え、それは凉宮ハルヒの力をもってしても。 それはあなた達が一番よく理解しているはず」 これは長門有紀なりの僕らへの慰めの言葉なのだろう…。 「はい…今回の事は…未来では……き、規定……」 「朝比菜さん…」 僕は首を横に振り、彼女の言葉を遮った。 「少なくとも、僕らSOS団の人間にとって…… 彼の死は……決して、規定事項なんかじゃありません。決して……」 「……そう」 長門有紀は静かに頷いた。 12.24 ハルヒへ いきなり柄にも無く、手紙を書いてみようと思う。 何故なら、興奮して眠れないからだ! お前はどうなんだろうか?ハルヒ。 全く気にもせずに涎垂らしたアホ面で眠っているのだろうか? しかし自分自身でも不思議なんだ。 正直、お前に初めて出会った時は見た目はまぁ、悪くはないが、 頭の中身がぶっ飛んだおかしな女だとしか思っていなかった! 髪型も短くする前は時々、変だったしな。 それが新しく部活作るから手伝えってネクタイ引っ張られて階段の踊り場に 連れて行かれた時はカツアゲでもされてるような気分だった。 しかもSOS団なんて世の中の不思議を探す為とかいう妙な目的の元、 珍奇な集団を作って、俺は巻き込まれた感たっぷり。 でも、今は楽しい! 長門や朝比菜さん(まぁ、仕方が無いから小泉も入れといてやろう)、そしてハルヒ。 団長のお前がいてこそのSOS団だ。 お前がいるから楽しいし、面白いから俺もついつい部室に足を運んじまう。 最初は朝比菜さんと一緒にバニーガールの衣装で SOS団の勧誘ビラ配りしたり、(まぁ、あれはあれで悪くはなかったが…) コンピュータ研から無理矢理パソコン取り上げたり、 何の知識も無い俺にHPを立ち上げろと命令してきたり、 なんて無茶苦茶な奴なんだと呆れてばかりいた。 でも、考えたらハルヒと一緒にいる時はいつも笑える楽しい事ばかりだ。 皆で不思議探索をするのもなかなか見つからないが悪くはないし、 七夕に一緒に短冊作ったり 夏休みに孤島に合宿行ったり(夏休みは結局、ほとんどSOS団の皆で遊んでたし) 学園祭の為にSOS団の皆で映画作ったり(大喧嘩もしたが…) クリスマスには何故か鍋パーティーが恒例になったり、 雪山で遭難なんて事もあったな。 サンタが空を飛ぶなんていう不思議な事にもようやく巡り会えたし、 お前と過ごしているうちに俺のハルヒへの想いも少しずつ変わってきたんだろうな。 次は初詣か?俺の願い事はもう決まってるが教えないぞ。 人に教えたら願いが叶わないからな。 とにかく、これからももっと楽しいイベントが盛りだくさんだな! で、結局、俺は一体、ハルヒに何が伝えたいのかと言うとだな、 いきなり結論だが、昨日の夜、お前を抱き締めて言った事。 あれは本気だ。結構、緊張したがな。 そういや、ハルヒからのちゃんとした返事は貰ってないが、 何となく流れ的にOKだったのかな、と勝手に解釈しとくぞ。 だから、次のバレンタインチョコは義理じゃなくて本命でくれよな。 それともう一つ、ハルヒに頼み事があるんだ。 俺達、来年は受験生だろ? ハルヒがどこの大学に進むのか知らないけど、 きっと今の俺じゃ手も届かないような所だと思う。 だから頼む。俺に勉強を教えてくれ。 俺も頑張って1年でどうにかしてお前の成績に追いつくから。 だからハルヒ、一緒に同じ大学に行こう! そしてな、大学でまた俺達で新しいサークルを作ろう! その名も『SOS団』!!!! 悪くないアイデアだろ?問題は俺の成績なんだがな…。 これからまだまだたくさん楽しい事、笑える面白い事があるだろうし、 喧嘩をする事もきっとあるかもしれん。 だけど、これからもずっと宜しくな、ハルヒ!! SOS団・団員その一、兼雑用係のキョンより SOS団・団長様、そして世界で一番大切な恋人、ハルヒへ p.s.不思議探索の時の遅刻罰金制だけどな。 あれ、俺、一回も遅刻した事ないぞ。 皆、来るのが早過ぎるだけだ。あれだけは考え直してみてくれ。 枯れたと思っていた涙が溢れ出してきた…。 彼の深く、優しい想いが胸の中に流れ込んでくるようだった。 私も昨日の夜、眠れずに考えていた。 初詣のお願い事を…バレンタインにキョンにあげるチョコレートを…。 SOS団の皆でお花見行って…七夕には笹の葉飾って… 夏休みには合宿行って…海で泳いで… 学園祭では出し物やって… クリスマスには鍋パーティーやってプレゼント交換して… まだまだやりたい事がいっぱいあった…… なんでもっとあなたに優しく出来なかったのか… なんでもっとあなたの前で素直になれなかったのか… 後悔と寂しさの涙ばかりが頬を伝っていく…。 なんでもっとあなたと過ごす時間をかけがえの無いものだと大切に出来なかったのか… なんで…… ごめんね、キョン……そして、ありがとう、キョン…… 溢れる想いはもう言葉にならなくなった…… ただ、あなたと、もっと…ずっと…ずっと一緒にいたかった―――― The End 涼宮ハルヒの嫉妬へ続く
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3429.html
ザザー……ザザザザ… 情報統合思念体によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスそれがわたし。 ――ブチッ 朝か。眠たい目をこすりながらベットからおりる。 洗面所へ行き顔を洗う。ふと思う。 ―夢に出てきた女性、見覚えがある。 俺はあの人を知っている?あの人は俺を知っている? 待て、俺は誰だ。誰だ俺は。 「ヒルハくん、学校遅れちゃいますよ。」 そっか、俺はヒルハか。ただこのあだ名は嫌だな。 ――ハルヒのカケラ プロローグ ヒルハ(キョン)「悪い、ちょと寝坊してな」 ミクル「ふふ、ヒルハくんらしいですね。」 ユキ「ユニーク」 イツキ「では、行きましょうか。 こいつらは俺の友達。一緒に学校へ行き一緒に帰る 休みの日はみんなで遊ぶ。 イツキ「いやー、あなたが来てくれて実はほっとしたことがあるんですよ。」 俺は、最近こいつらと会った。いきさつは自分でも覚えていない。 早い話、俺には記憶がしっかりしていない。 イツキ「さすがに、女性3人を僕が相手するのは周りが怖くて」 待て、女性3人?あと一人は誰だ。 ミクル「ハルヒちゃんって子がいたんだけど・・・」 ユキ「インフルエンザになった。学校に来ていない」 ―ドックン―ドックン ザザザ…ザザー……ハルヒ…… 次の瞬間俺は意識を失った。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/523.html
涼宮ハルヒの入学 version H 涼宮ハルヒの入学 version K
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1086.html
第五章 「喜緑です。覚えていますか?」 「忘れる筈がありませんよ。」 それにしても、どうやって此処へ入って来たのだろうか。 「あばら骨にひびが入っていますね。今治してあげます。」 喜緑さんは俺の胸をさする。すると、不思議なことに、痛みが退いてきた。 「有難う御座います。」 「次は古泉君を。」 喜緑さんは古泉の方へ行って治療する。 「大丈夫か?古泉。」 「えぇ、なんとか。それより、気付いてますか?」 何が? 「長門さんが押されてきました。」 「あのままでは、マズいですね。」 「なんとかならないのですか?喜緑さん。」 「今から、情報統合思念体とデータリンクします。5分程時間を下さい。」 「分かりました。なんとか時間稼ぎをしますよ。」 「5分もつのか?10秒保たなかったお前が。」 「やらないで後悔するより、やって後悔した方がましですよ。 今は、僕が少しでもやらねばならないのです。」 いつの日かどこかで聞いた言葉だな。 「死ぬなよ。(嘘)」 古泉はグッと親指を立て、赤い玉になり、飛び発った。 「それでは、わたしも準備をします。」 喜緑さんは、何かを唱え始める。 「WORKING-STORAGE SECTION. 01 EOF…………」 全く理解出来ない呪文を唱える。しかも、だんだん早口になる。 周りから見れば、頭のおかしい人みたいだ。 俺は何をしようかな。 「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉー!!!!」 いきなり奇声が聞こえた。 びっくりして空を見上げると、古泉が幾つもの赤い玉を放っている。 頭が一番おかしいのはあいつだな。呑気にこの状況を眺める俺も十分おかしいが。 「まだですか?そろそろやばいですよ。」 「今データのサーチとダウンロードを同時にやっています。 MOVE SIN-CODE(IDX) TO K-CO………」 なんか、腰が抜けてきた。 足がふらふらして、地面にぺたりと尻をつく。これでダメなら、どうしよう。 「ハルヒ………」 不意に、口から漏れた言葉に恥ずかしくなる。 「END-SEARACH END-READ END-PERFORM CLOSE SIN-FL KI-FL STOP RUN. 終わりました。」 「そうですか。」 「朝倉さん。降りて下さい。」 朝倉は手を止め、降りてくる。 長門と古泉は、じっと朝倉を見つめて動かない。 「来てたの。」 「来ちゃいました。」 「これが、情報統合思念体の意思ということ?」 「そうです。」 「わたしが抵抗しても、無駄ね……潮時か。」 「大人しく、消えますか?」 「おでん、食べたかったな。」 「情報構成抹消開始。」 「さようなら。みんな。もう、多分もう会わないけど。」 朝倉が消えていく。 「何をしたんですか?」 「彼女を構成している情報自体を削除しました。修復はほぼ不可能です。」 周りの風景が砂のように崩れ、俺が最初に見た荒れ地が姿を表す。 「時間がありません。わたし達もこの空間から帰りますよ。」 「わたしにつかまって。」 俺は長門の小さな手を掴んだ。 古泉は喜緑さんの手を掴む。 「それでは、行きますよ。」 喜緑さんがそう言うと、空間が歪む。 目眩がしてきた。 あぁ、気持ち悪い。 「………え?」 「やっぱり、やめた。」 夕日が差し込む。 通い馴れた部室。 長門の本が詰まった本棚や、 朝比奈さんの身に着けたコスプレ衣装。 古泉の持ってきた卓上ゲームと ハルヒが強奪したパソコン達。 全てが紅に染まる時。 その中に、俺とハルヒは包まれる。 生暖かい鮮血のような紅。 いや、 それは紛れもない血であった。 「キョン……ごめん……ごめんなさい。」 「何……故……?」 「分からない。分からないのよぉ。」 痛ぇ。 状況を把握したいが、意識がもうろうとする。 終わったな。俺。 最後に見えたのは、ハルヒの切腹だった。 唇にそっと何かが触れる。 「今、あたしも行くからね。」 くそったれ………バカハルヒ。 「大好き。………バカキョン。」 視界が真っ赤になる。ハルヒの血だろう。 そして、意識が途絶えた。 ……b……o…… …バ……ロ!! バーロー? 「バカ、起きろ!!!」 耳をつんざくような声がした。煩いぞハルヒ。 「全く、仏になっても寝るとは、いい度胸ね。」 仏が眠ってはいけないという規則は、聞いたことがない。 そんな事より、人を仏呼ばわりするのは早過ぎではないか? すると、ハルヒは大きな溜め息を吐く。 「呑気なものね。あんた、鈍感というより、マヌケよ。下見なさい。」 「おぉ!?」 下には俺とハルヒがいた。良く出来た人形だな。 「これが人形に見えるなら、あんたの目はふしあなよ。」 なら、ドッペルゲンガーか? 「んな訳ないでしょ!!もういい。やめて。こっちが恥ずかしい。」 こういう時は、状況整理が必要だ。 今日の事から思い出そう。 起きる。 寝る。 起こされる。 朝は、パンに味噌汁がベスト。 学校行く。 手紙ある。(5時に教室) 足し算を間違える。 就職を漢字で書けない。 5時に教室へ行く。 ハルヒに襲われる。 長門が止める。 夢の中へ 朝倉やっつける。 ハルヒに刺される。 パトラッシュ。僕もう、だめぽ。 と、いう訳で、俺達は死んでしまった。 不思議と悲しくはなかった。ハルヒと一緒だからだろうか。実感が湧かない。 もし一人なら、死んだことに気づかず、地縛霊になったのだろうに。 しかし、疑問が残る。何故、長門がいない。前回(夢の中)朝倉が言った事と関係があるのだろうか? 気は乗らないがハルヒに聞いてみるか。 「長門は?」 「今日は一度も会ってないわ。」 「夢を見たよな。」 「は?見てないわよ。それってなんの話よ。」 「だけどよ………」 それで俺は口を止めた。これ以上、話をしても多分無駄だろう。 「ごめん、キョン。」 「謝る必要ないさ。」 「ごめんなさい。あんな事して。」 今日のハルヒは謝り過ぎだ。 喜怒哀楽が激しい人間だな。こいつの場合ほとんど「怒」の割合が多いが。 しかしおかしい。何か変だ。どこかに矛盾があるような。 その時、ドアが開く。 「有希!?」 長門が入ってくる。 「…………。」 部屋に入ると。辺りを見回す。どうやら、俺達には気づかないようだ。 「…………。」 長門は何か呟くと、その場から立ち去った。 「何て言ったのかしら?小さすぎて聞こえなかったけど。」 「分からん。」 長門のことだ。もしかしたら、何か知ってるはずだ。 しかし、さっきの様子は明らかに俺に気づいていない。 期待と不安が入り混じる。あいつを使えばもしかしたら……… 「きゃぁぁぁぁー!!」 な、何だ!? 「バド部の連中だわ。部活帰りに立ち寄ったのね。」 その後、救急・警察が来て、俺達の死亡が世間へ広まった。 警察は俺達の事を、無理心中と判断した。 どこぞの名探偵が来たが、お手上げらしい。 世間もそれで納得したらしく、「可哀想」の一言で片付けられた。 その後、ハルヒとこれからどうするかを話ていると、目の前に誰かが現れた。 「こんばんは。」 20代の女性だろうか。日本人に見える。この人も幽霊なのだろうか。 「見えてるようね。あたし達のこと。」 どちら様です? 「簡単にご説明すると、あの世の者です。単刀直入に申し上げます。今すぐあの世に逝きますか?」 いきなりそんな事言われても困ります。 「大概の方がそうおっしゃられます。 ですので、こちらの時間で、えーっと………49日程の死亡猶予期間が与えられています。 それを過ぎると罰則が加担されます。」 「待て。何故俺達が、あなた達の規則に合わせねばならないのです。 死んでも、誰かに縛られるのは嫌ですよ。」 「ごもっともな意見です。しかし、本来死亡なされたあなた方は、下界に干渉する権利も御座いません。 また、下界に霊がごちゃごちゃいても、困りませんか?」 頷くしかなかった。 「逝きましょう。キョン。あたし達がこの世にいても、邪魔なだけよ。 死んだことは事実だし、それを受け入れるのが礼儀よ。」 「宜しいのですか?」 「だが断る。」 「何で?」 「俺の家族への挨拶はどうでも良いが、俺はお前の両親への挨拶くらいはしたい。」 「それって……」 ハルヒは顔を赤らめる。 「うふふ、分かりました。では、また49日後に迎えに来ます。」 「すみません。有難う御座います。」 「お幸せに。」 そう言うと、彼女はどこかへ消えて行った。 「キョン……こんな…あたしで良いの?」 「あぁ勿論。」 「うぅ……あ゛り゛がどう゛。」 泣くのか? 「な゛、泣いだりじない゛。ぢてないわよ。」 「行こう。」 「……うん。」 そっとハルヒの肩を抱き、両親へと挨拶に向かった。 「あったかい。」 「おばけなのにか?」 「気分だけよ。」 翌日、学校ではこの事を公表する。泣く人あれば、知らん顔ありだった。 クラスで岡部が泣いたのには笑った。 自分のために泣いてくれているというのに、不謹慎だな。俺は。 女子の方々は、大体の人が泣いていた。 男は、担任の岡部しか泣いていなかった。 谷口の姿はまだ見えない。国木田は、どこか上の空だった。 「あんまり面識の無い奴までが泣いてるなんて、変な気分ね。」 「同情してるんだろうよ。バカなカップルが将来を苦にして、自殺。 ロミオとジュリエットとは似て非なる話だ。 だが、お涙頂戴な悲劇には、相当するんじゃないか?」 「カップルに見えてたのかな……あたし達。」 おばけのくせに頬を赤らめてハルヒは言った。 どう返答すれば良いか分からず、ぶっきらぼうな返事を返すと、 ハルヒは「ごめんなさい」などと、謝る。今更謝られても仕方ない。 「気にするな。」と頭を撫でると、今度は泣く始末。 かなりの大音量だったので、誰か気付くのではと思ったが、 やはり、おばけの声は気付かないらしい。この1時間後、ハルヒはやっと泣き止んだ。 「今日は家に帰る。あんたも自分の家族に最後の別れくらい言ってあげなさい。 それと、明日は10時に駅前ね。SOS団のみんなに会うわよ。じゃあ解散。」 俺の返事を待たず、ハルヒは帰ってしまった。俺が断る訳は無いけどね。 前日は、家に帰らなかったから、久しぶりに見える。 家に入ると家族全員が揃ってた。 母親は洗濯、親父と妹はテレビ。 休日と変わらないような生活。 しかし、どいつもこいつも湿気た顔をしていた。 見ていて、こっちまで陰気臭くなる。 おっと、こんな事している場合じゃない。 ………いたいた。 「みゃー。」 よう、シャミ。見えてるみたいだな。 シャミセンはじっとこちらを見つめている。 悪いが、体借りるぞ。 第六章へ